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栄養療法カウンセラー
岸正浩

≪ プロフィール ≫

マグネシウムについて

カルシウム偏重とマグネシウム欠乏

カルシウムにはマグネシウムがセットで必要

私の妹は現在妊婦さんなのですが、産婦人科で勧められてカルシウムサプリメントを摂っているらしいです。よくよく聞いてみると、そのサプリメントはカルシウムの吸収を良くするために、微量のマグネシウムやビタミンDなども配合されているようでしたが、栄養学で言われているカルシウムとマグネシウムバランスからいうと理想とは遠いように思えました。

栄養学では理想はカルシウム:マグネシウムの摂取量の比が1:1から2:1程度と言われています。私は妹に訝しがられながらも速攻で注意を促して、マグネシウムとのバランスを取るように説得しました。人を説得するときはたいてい訝しがられますが、この場合緊急事態に感じられましたので仕方ありません。

血液中のカルシウム濃度を適正に保つにはマグネシウムが必要です。細胞ではカルシウムの1万倍の濃度を持つマグネシウムが、一定量のカルシウムが細胞内にはいることをコントロールしています。カルシウムが一定以上細胞内に入ると石灰化させてしまうからです。カルシウムはこの「石灰化」というのが厄介なようで、常にこのリスクを配慮しておいた方が良さそうです。カルシウムを水に入れてかき混ぜると白く濁りますが、そこにマグネシウムを入れると残っていたカルシウムが溶けるらしいです。つまり、マグネシウムによって水溶性が高まったということです。これと同じことが、身体内でも起こるということです。

マグネシウムが不足すると

マグネシウムが不足すると、腎臓では腎臓結石、膀胱では尿間結石やカルシウムが膀胱の内側に沈着することによる頻尿、動脈の内側に沈着して動脈硬化、そこから血圧が上がって心臓発作や卒中、脳内にカルシウムが溜まればアルツハイマー、気管支内壁に蓄積すればぜんそくといった症状をもたらします。

われわれの体内では、カルシウムとマグネシウムは等しく重要である。すべての作用には、それと等しい反作用があるというニュートンの物理法則にも似て、カルシウムやマグネシウムも相手の反応を引き起こすことなく単独で作用することは不可能である。生化学のレベルでは、マグネシウムとカルシウムは互いに拮抗するように作用することが知られている。

多くの酵素にとって、その機能を果たすには細胞内に十分な量のマグネシウム(カルシウムの1万倍)があることが決定的な前提となっていて、細胞内カルシウムのレベルにわずかな増加が起こると致命的な影響を蒙ることになる。
『奇跡のマグネシウム』より引用

メディアや広告による認識の偏り

もちろん産婦人科としては妊婦のカルシウム不足に配慮してのことだとは思いますが、カルシウムとマグネシウムは必ずセットで摂るべきという認識がないようです。このことは、体が正常に機能するためには、あらゆるミネラルが不可欠であるにもかかわらず、カルシウム補給に力点が置かれてきたためです。他のミネラルから注意がそらされてしまっていて、カルシウム偏重になってしまってます。

メディアや牛乳メーカーの影響でしょうか。イライラしてるのはカルシウム不足だから牛乳を飲みなさいなどとはよく言われていましたね。まちがってもマグネシウム摂りなさい、と言われたことはありません。骨粗鬆症になるからカルシウム摂りなさい、といわれたことはありますが、マグネシウム摂りなさいとは言われませんよね。

でも、事実はそういうことです。カルシウムは確かに大事ですが、それを働かせるためにはマグネシウムがセットで必要で、マグネシウムが不足すれば、カルシウムは入れた分だけ害になりうるのです。

サプリメントは基本おっかなびっくり摂るべきもの

ところで、サプリメントはこういうことがあるから怖いですね。体に良いと思ってサプリメントを大量に入れて、かえって害になることもあり得るのですから。栄養療法をやっている人にとっては、カルシウムを単独で摂るのは危険という認識はあるとは思いますが、まだまだ他の医療分野や一般の認識ではそうではないようです。

また、栄養療法を学んでいるからといって、現段階では過剰症がない、と言われているものでも、ある日突然ひっくり返ることもあり得ると思ってます。例えばビタミンEなどは過剰症がないと言われていましたが、今では過剰摂取で骨粗鬆症になるなどと言われていますよね。それまでさんざん健康に良いと信じてビタミンEを摂ってきた人にとっては青天の霹靂です。今の医学では人体のことは分かっていないことの方が圧倒的に多いということの現れだと思います。なので、サプリメントを摂る時の態度は、リスクのことも考えながら、基本的におっかなびっくりであるべきだと思います。そういうこともあって、基本は食事だと思うのです。

不安障害とうつ病とマグネシウムとセロトニン

セロトニンについて

快感脳内物質セロトニンについては、おなじみだと思います。私も健康問題に取り組んだ初期からその存在は知っていて、セロトニンを増やすことによってうつ症状や不眠症から解放されると様々な書籍やインターネットの記事で読んでいました。私も十分なセロトニンを生成するために、リズム運動(ウォーキングや軽いジョギングなど同じ動作を繰り返すリズミカルな運動)をしたり、トリプトファンと呼ばれるアミノ酸をせっせと摂ったり、積極的に太陽光にあたったりしてきました。

これらは私が5年前くらいにしていたことですが、その努力は私にとってはほとんど効かなかったですね。もちろん、多少の効果はあったんだと思いますが、もっと根本的な何かに問題があるのだろう。当時の私はそんな風に考えていました。

セロトニンの生成に必要なマグネシウム

時は流れて、分子栄養学を勉強するようになり、『奇跡のマグネシウム』という本の中で、このセロトニンというのは、実はマグネシウムが重要という記述を見つけました。

適正量のマグネシウムがあれば、自然に十分なセロトニンが作り出され、感情に落ち着きがもたらされる。ところが、ストレスによりマグネシウムが奪われると、悪循環が始まって制御不能になり、うつ症状を生じることがある。身体がマグネシウムを必要とするのは、脳内に適正量のセロトニンを放出させたり、保持させたりするためであり、これによりバランスの取れた心的機能が維持される。
『奇跡のマグネシウム』より引用

5年前の私が抱いた疑問の答えがここにありました。健康は本当に難しいですね。その当時の私はマグネシウム不足なんてことは、まったく思いもつきませんでした。

ストレス⇒アドレナリン放出⇒マグネシウム消費の流れ

マグネシウムはストレスによって奪われます。不安障害は一種の化学反応であって、ストレスにより起こる現象で、例えば低血糖に対しては、副腎からアドレナリンが放出されます。アドレナリンは心臓のポンプ機能を速めたり、貯蔵エネルギーを放出させたり、筋肉を活性化させたりします。アドレナリンは闘争反応、逃避反応を刺激してくれるため、それによって、不安から開放されようとします。

マグネシウムはアドレナリンによって緊張状態になった筋肉や臓器を弛緩させる働きがあります。ですので、アドレナリン由来のこういった機能亢進にはすべてマグネシウムが必要になり、消費されます。ストレス⇒アドレナリン放出⇒マグネシウム消費という流れがあるようです。さらに、体内のマグネシウムレベルが低い時にストレスにさらされると、より大量のアドレナリンが放出されてしまうそうです。このような悪循環が起こり、マグネシウムはますます消費されていきます。

うつ病治療に本当に必要なもの

また、ある研究によれば、うつ病患者の大多数がマグネシウム欠乏であったそうです。ところがうつ病治療にはよくプロザックのような選択的セロトニン再取り込み阻害薬が処方されるようですが、セロトニンが実際に必要とするマグネシウムは処方されません。

ここに製薬会社のビジネスの匂いも感じます。製薬会社は薬の開発で特許をとっていれば、広告費をかけても、薬を販売して利益を上げられますが、マグネシウムで特許は取れません。しかし、体が必要としているのは薬ではなく、栄養なのです。ですので、患者としては栄養の偏りや、栄養を摂っても吸収を阻害されてしまう要因を探し、取り除くことがやはり必要なのです。

アルコールの摂取はマグネシウムを大量に消費する

また、私はそんなに量は多くないですが、弱いにも関わらずアルコールを摂取してマグネシウムを大量に消費してしまった可能性もあるなと少し反省しています。アルコールは少量であれば問題ない、むしろ健康に良いなどと言われていますが、マグネシウム消費という観点から言うと、トップクラスに消費されるようです。お酒を飲む方は気をつけてくださいね。

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