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栄養療法カウンセラー
岸正浩

≪ プロフィール ≫

ビタミンD

紫外線悪玉説とビタミンD欠乏

紫外線悪玉説を見直す必要性が出てきた

紫外線はしみやそばかすなど肌トラブルや白内障の原因と言われ久しいです。特に女性は、日焼けを避けるため、日よけ傘や日焼け止めクリームなどを塗り、少しの紫外線も避けるのが当たり前のようになっていますね。しかし、近年になって、ビタミンDの有効性が多くの研究で明らかになるとともに、紫外線悪玉説も考え直さなくてはならない状況になっています。

ビタミンDの生成経路は二つあります。一つ目は紫外線を浴びることにより、皮膚にあるコレステロールを原料にして、ビタミンDが生成される経路と、二つ目は動物性タンパク質から摂取する経路です。食事からだけでは足りないので、十分な量を賄うには紫外線にある程度当たる必要があります。マイケルホリック博士は、北緯35~50度で、日本人に多い肌質であれば、紫外線β派(UVB)が地表に届く季節(2月~10月)の、太陽が南中に達する前後2時間の間に、半ズボンで15~20分の日光浴を週2、3回行うことを推奨しています。

ビタミンDのはたらき

では欠乏するとどうなるのでしょうか?ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、ですので、ビタミンD受容体は細胞核内に存在します。細胞膜は脂質ですので、脂溶性であるビタミンDはそこを通過し、核に達することが可能な訳です。ビタミンD受容体は、脳、心臓、皮膚、骨、肝臓、神経、脂肪、副甲状腺、膵臓、生殖腺、前立腺及び乳房を含むほとんどの臓器の細胞で作用しています。分子栄養学では、栄養素の局在を把握してから、機能を考えます。

腸、骨、腎臓、副甲状腺
⇒血中のカルシウム及びリン酸濃度の維持および骨密度の維持をつかさどっている

皮膚、免疫細胞
⇒細胞の分化コントロール、抗菌ペプチドの賛成

免疫細胞
⇒免疫応答を抑え、炎症反応を抑制する

すい臓、乳房、前立腺
⇒ガン抑制、インスリンの効果を高める(ビタミンD欠乏でインスリンの効きが悪くなる)

血管平滑筋、内皮と心筋細胞
⇒血圧コントロール、心筋梗塞の予防

紫外線を避け過ぎたことの弊害

このように、多くの働きが分かってきて注目されており、ビタミンDは「免疫調整ホルモン」とも言われ、花粉症やアトピーなどにも有効と言われています。冬季うつはこのビタミンD欠乏によるという風にも言われています。そしてなんと紫外線を避けることによる死亡リスクは皮膚がんでの死亡リスクの55倍!とも言われています。今、日本女性のがん死亡の第一位は、大腸がんです。紫外線を過度に避けたことが原因と疑われているようです。

ビタミンDは現代では欠乏しやすい?

私自身はこれまで紫外線に当たることを極度に避けたりする習慣はなく、むしろ、夏になれば適度に日焼けするのが好きでした。会社に勤めていた頃は、昼休みには必ず表に出て、意図的ではないにせよ、太陽の光を浴びていたつもりです。そんな私でも、最近検査してわかったのですが、ビタミンD欠乏症でした。

2012年11月時点の私の検査結果
25-OHビタミンD:21.3(ng/ml)

※25-OHビタミンDは活性型ビタミンD(1.25OHビタミンD)の前駆体です。サプリメントからビタミンDを摂る時は、過剰症に気をつけるため、25-OHビタミンDの形で摂る必要があります。

血中ビタミンDの理想値は以下のように言われています。
10ng/ml以下⇒重度欠乏
20ng/ml以下⇒大腸がんのリスク75%増
30ng/ml以下で欠乏症
30~50ng/ml欠乏症が起こらないレベル
50~80ng/ml疾病リスクを最小限にする
80~100ng/mlガンの成長抑制
100ng/ml以上ビタミンD過剰症

よくよく考えてみると、昼休みは表に出るようにしていましたが、それ以外はオフィス勤務で紫外線に当たることも少なかったかもしれないと、気がづきました。改めて陽にあたろうとしても、街は高層ビルやマンションが立ち並び、陽に当たりたくても当たれない状況ということに初めて気が付きました。

適度な日光浴は必要

とはいえ、人類は元々太陽に当たるようデザインされている一方で、オゾン層破壊により、強烈な紫外線が直接地上に降り注いでいる状況は、過去に例がなく、建物の影になって陽に当たれないことは、ある意味では守られているともいえます。紫外線に当たるのを最小限に抑えつつ、十分なビタミンDを生成するには、上記した北緯35~50度で、日本人に多い肌質であれば、「紫外線β派(UVB)が地表に届く季節(2月~10月)の、太陽が南中に達する前後2時間の間に、半ズボンで15~20分の日光浴を週2、3回行う程度が適切かもしれません。

「あっちを立てればこっちが立たず」になってはならない

ビタミンDについても、「あっちを立てればこっちが立たず」という実例だと思います。やはり、どんなことでも極端はNG。バランスが重要ということが言えると思います。逆から考えてみるという態度も大事です。「紫外線は悪玉だ」と言う人がいれば、必ず逆のことを言う人のことを聞いてみるべきです。糖質制限推奨派の人であれば、糖質制限は危険だという人の言うことも聞いてみる必要があります。動物性蛋白質推奨派とそうでない派。人体のことは最先端の医学・生物学でも分かっていないことの方が圧倒的に多いのです。昨日の常識が今日の非常識になっていることは、日常茶飯事です。一方に偏って思考停止になると、最終的には自分に跳ね返ってきます。

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